パラフィン包埋組織切片からのRNA抽出Kit
| Code No. | 製品名 | 包装単位 | 希望納入価格 |
|---|---|---|---|
| 315-06421 | ISOGEN PB Kit | 20回用 |
22,000円 |
ISOGEN PB Kitは、パラフィン包埋組織切片からのRNA抽出Kitで、脱パラフィン→Proteinase K処理→抽出(ISOGEN-LS)という簡単な操作(約2時間)で、パラフィン包埋組織からRNAを抽出することができます。
- RT-PCRによるRNAウイルスの検出
- RT-PCRによるmRNAの検出
- パラフィン包埋組織切片におけるRNAの保存度チェック 等
ご使用の前に
パラフィン包埋組織から抽出されるRNAは、包埋までの過程でRNAの分解が進行しているため、新鮮組織から抽出したものと比較して、RNAの完全度が劣っています。
哺乳動物の新鮮組織から抽出したtotal RNAは、電気泳動において、28S rRNAと18S rRNAの明るいバンドが検出でき、その比率は約2 : 1になりますが、パラフィン包埋組織から抽出した場合には必ずしもそのような結果にはなりません。
実際に、マウスのパラフィン包埋組織を用いた抽出実験では、28S rRNAはほとんど確認できませんでした。したがって、包埋までの過程でRNAが分解されていることが示唆されます。
さらに、RNAの分解の程度はパラフィン包埋ブロックの状態に大きく依存します。
18S rRNAがはっきりと確認できるブロックもあれば、18S rRNAも確認できないほどに分解が進んでいるものもあります。
そこで、弊社では18S rRNAの残存を1つの判断基準としています。in situ hybridization等、RNAの保存度が重要な場合には、これを1つの指標とすることをお薦めします。
また、RNAが分解されていても(18S rRNAを確認できない場合でも)、RT-PCRによる遺伝子の検出は可能な場合が多いので、抽出したRNAをRT-PCRに用いる場合は、RNAの完全度は通常は特に問題になりません。
ただし、パラフィン包埋組織切片からのPCRは、通常のものに比べ、増幅効率が低いので、プライマーの設定は増幅サイズが大きくなりすぎないよう(400 bp以下、できれば200 bp以下)注意してください。
20回分 Proteinase K(20 mg/ml) 100 µl×1Extraction Buffer* 3 ml×1ISOGEN-LS 10 ml×1Ethachinmate 60 µl×1Deoxyribonuclease(RT Grade) 20 µl×110×DNase(RT Grade)Bufer II 100 µl×1Stop Solution(RT Grade) 100 µl×1DEPC treated Water 500 µl×2<Kitに含まれていない試薬>
- Lemosol またはLemosol A (Xyleneでも可)
- 100% Ethanol
- Chloroform
- Isopropanol
- 70 % Ethanol
*Extraction Buffer中に白い結晶が現れることがありますが、品質には問題ありません。
このような場合は、37〜50°Cでインキュベートし、結晶を完全に溶解させてからご使用ください。
-20°Cで保存して下さい。
ただし、Extraction Bufferは室温、ISOGEN-LSは2〜10°Cでも保存可能です。
RNAの抽出
パラフィン包埋組織切片
(in 1.5ml tube)(<25 mm2 ×10 µm×4枚)*1
↓←LemosolまたはLemosol A*2, 800 µl
↓転倒混和(10回程度)
↓静置(室温, 1分)
↓←100% Ethanol, 400 µl
↓転倒混和*3
↓遠心分離(12 k×g, 2 分, 室温)
沈殿*4
↓←100% Ethanol, 1 ml
↓転倒混和(10回程度)
↓静置(室温, 1分)
↓遠心分離(12 k×g, 2 分, 室温)
沈殿*4
↓乾燥*5
↓←Extraction Buffer, 150 µl
↓←Proteinase K(20 mg/ml), 5 µl
↓50°C, 15分
↓←ISOGEN-LS, 450 µl
↓ボルテックス, 5秒*6
↓静置(室温, 5分)
↓←Chloroform, 120 µl
↓ボルテックス, 15秒
↓静置(室温, 3分)
↓遠心分離(12 k×g, 15分, 4°C)
水相 (350 µl)
↓←Ethachinmate*7, 3 µl
↓←Isopropanol, 300 µl
↓ボルテックス, 5秒
↓静置(室温, 5〜10分)
↓遠心分離(12 k×g, 10分, 4°C)
沈殿
↓←70% Ethanol, 1 ml
↓転倒混和
↓遠心分離(12 k×g, 5分, 4°C)
沈殿
↓乾燥*8
↓←DEPC treated Water, 20 µl
RNA溶液*1 : 組織のまわりの余分なパラフィンをカッターナイフ等で落としてから、組織をスライスしてください。パラフィンはLemosol、Lemosol A、Xyleneに溶けるので、パラフィンを完全に切り落とす必要はありません。また、スライドガラス上の組織切片からRNAを抽出する場合は、脱パラフィン前に、マイクロスパーテル等で削って、スライドガラスから組織を剥がしてください。
*2 : Xyleneでも可能ですが、安全性の高いLemosolまたはLemosol Aの使用をお薦めします。
*3 : Ethanolの添加は省略してもかまいませんが、Ethanolを加えた方が、組織が沈殿しやすく、操作が容易になります。
*4 : 上清はマイクロピペットにて除去します。このとき、組織が浮いてくることがあるので、吸い込まないように注意してください。
*5 : Ethanolが見えなくなるまで風乾または真空乾燥してください。
*6 : xtraction BufferとISOGEN-LSが均一になるまで混合してください。
*7 : Etachinmateは核酸(DNA及びRNA)をエタノールまたはイソプロパノール沈殿させる際に使用するアクリルアミド系の高分子キャリアー溶液です。Etachinmateの添加により微量核酸の回収が可能となり、沈殿を目で確認することができるようになるため、微量な核酸の場合でも大切な試料を洗い流してしまう心配がありません。また、Etachinmateは逆転写反応やPCR等の酵素反応を阻害しません。
*8 : Ethanolが見えなくなるまで風乾または真空乾燥してください。また、沈殿を完全に乾燥してしまうとRNAが溶けにくくなる場合があります。
抽出したRNAの取扱いについて
本品で抽出したRNAをRT-PCRに用いる場合には、添付のDeoxyribonuclease(RT Grade)によって処理してください。
電気泳動及び濃度測定を行う場合は、そのままご使用ください。Deoxyribonuclease処理
RNA溶液 0.1〜0.5 µg10×DNase(RT Grade) Buffer II 2.5 µlDeoxyribonuclease(RT Grade) 0.5 µlDEPC treated Water Total 25 µl*1↓37°C, 15分*2
↓←Stop Solution(RT Grade), 2.5 µl
↓70°C, 10分*3
RT-PCR*4*1 : 25 µl以外の反応系で行う場合、Deoxyribonuclease(RT Grade) : 10×DNase(RT Grade) Buffer II : Stop Solution(RT Grade)は、必ず1 : 5 : 5の量比で使用してください。他の比率ではStop Solution(RT Grade)の効果が十分に得られない場合があります。反応液中のCa2+をキレートすることが、DNaseの反応停止にとても重要です。
*2 : 15分以上は反応させないでください。
*3 : RNAは高温では不安定です。熱処理は70°Cで行ってください。この温度では、DNaseは完全に失活しませんが、逆転写反応において特に問題はありません。
*4 : 逆転写反応の後には、95°C, 5分間の熱処理による逆転写酵素の反応停止を行ってください。
Deoxyribonuclease処理に関する注意事項
前記反応液によるDNAの除去は、できるだけRT-PCRの直前に行ってください。
DNase処理したRNAを長期間保存する場合には、フェノール/クロロホルム処理によるDNaseの失活と除去を行ってください。また、DNase処理したRNAの電気泳動を行う場合も、フェノール/クロロホルム処理とエタノール沈殿によるRNAの回収を行ってください。反応Buffer及びStop Solution(RT Grade)の影響により移動度に異常をきたします。この場合、DNaseはフェノール / クロロホルムにより失活しますので、Stop Solution(RT Grade)の添加及び70°C、10分の熱処理は必要ありません。
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製品マニュアルをご覧になる際にはAdobe Acrobat® ReaderまたはAdobe Acrobat® Reader Plug-in等、PDFを表示できるソフトウェアが必要です。
ISOGEN PB Kit : 第一版(2003.10.17)
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RT-PCRによるマウスglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(Gapd)遺伝子の検出
マウス顎下腺パラフィン包埋組織切片10 µm×4枚から、プロトコールに従ってRNAを抽出した。得られたRNAのうち500 ngを、プロトコルに従ってDNase処理した後、RT-PCRによりマウスGapd遺伝子エキソン5(258 bp)の検出を行った。
逆転写反応
反応液組成 10×Reaction Buffer* 2 µl25 mmol/l MgCl2* 4 µl2.5 mmol/l dNTP* 4 µl50 µmol/l Random Nonamer* 1 µlRNase Inhibitor(20 units/µl)* 0.5 µlEuroScript RT(50 units/µl)* 0.5 µlDNase処理済みRNA溶液 8 µlTotal 20 µl*逆転写反応用の試薬は
Reverse Transcriptase qPCR™ Core Kit
(EUROGENTEC社)を使用した。 ↓
逆転写反応 25°C 10 min.48°C 30 min.95°C 5 min. ↓ 1st strand cDNA ↓
10×Gene Taq Universal Buffer 2.5 µl2.5 mmol/l dNTP Mixture 2 µl3 µmol/l Gapd Primer Mixture 2.5 µlGene Taq NT (5 units/µl) 0.25 µl1st strand cDNA 5 µlH2O 12.75 µlTotal 25 µl ↓
94°C 2 min.95°C 15 sec.×35 Cycles 60°C 30 sec.72°C 30 sec. ↓PCR産物の1/2量(12.5µl)をAgarose S 2% gelで電気泳動
電気泳動結果 泳動写真 サンプル
- Lane 1 : OneSTEP Marker 5(φX174/Hinc II digest)
- Lane 2 : 鋳型なし
- Lane 3 : 鋳型=逆転写反応を行っていないRNA
- Lane 4 : 鋳型=逆転写反応を行ったRNA
- Lane 5 : OneSTEP Marker 5(φX174/Hinc II digest)
微量試料のRT-PCRについて
抽出したRNAが電気泳動で確認できない場合や10 ng以下である場合には、RTmate(Code No. 315-05941)を添加して逆転写反応を行うことをお薦めします。RTmateの添加により、RT-PCRでの検出限界感度が上昇します。