Cap Site cDNA® Q&A

諸事情によりCap Site cDNA®は在庫がなくなり次第、販売を中止させて頂きます。



Q1. Cap Site cDNA®とは何ですか。

A1.
Cap Site cDNA®は、真核生物のmRNAの5'末端に特徴的に存在するキャップ構造を合成オリゴリボヌクレオチドで置換した後、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行って得た第一鎖cDNAで、mRNAの5'末端側の情報に富んだcDNAライブラリーです。よく勘違いされますが、
1) Cap Site cDNA®はcDNA調製用キットではありません。ですから、本品を用いてお客様のお手持ちのRNAからcDNAを合成することはできません。
2) プラスミドベクター等と連結したライブラリーではありません。ですから、本品をそのまま大腸菌等に導入することはできません。
3) ランダムプライマーを用いて逆転写していますので完全長cDNAライブラリーではありません。
4) 一本鎖DNAです。二本鎖DNAではありません。

 

Q2. Cap Site cDNA®はどのように調製したのですか。

A2.
真核生物のmRNAの5'末端にはキャップ (m7Gppp)と呼ばれる特徴的構造が存在します。このキャップ構造は、転写開始点のヌクレオチドに転写後かなり早い段階で酵素的な修飾により形成されます。タバコ酸性ピロホスファターゼ(TAP) は、このキャップ構造(ピロりん酸結合)を特異的に開裂します。そこで、まず高純度に精製したTAPによってキャップ構造(ピロりん酸結合)を開裂して生じる5'末端りん酸残基と、特別に設計した合成オリゴリボヌクレオチドをRNAリガーゼによって連結し、これを鋳型としてランダムプライマーを用いてM-MLV逆転写酵素によってcDNAを合成します。この調製方法は「オリゴキャッピング法」を改良したものです。

 

Q3. Cap Site cDNA®はどのような時に使うのですか。

A3.
遺伝子の転写開始点を決定する時に使います。転写開始点を決定する方法としてプライマー伸長法とS1マッピング法がありますが、これらの方法では発現量が多い遺伝子しか解析できません。Cap Site cDNA®を用いると、発現量の少ない遺伝子でも転写開始点を決定することができます。また、5'RACE法で転写開始点を捕らえようとされることもありますが、たいていの場合は、転写開始点の近くまでしか解析できません。Cap Site領域を特異的に検出するようにデザインされているCap Site cDNA®は、転写開始点の決定に有力な武器となります。

 

Q4. Cap Site cDNA®のパッケージには何が入っているのですか。

A4.
マイクロチューブが5本入っています。 1本はCap Site cDNA®で、他はPCR用プライマーです。4本のプライマーのうち2本はrOligo相補的配列部分に特異的なプライマー(1RC, 2RC Primer)で、お客様が作製した目的の遺伝子に特異的なプライマー(target-gene specific primer : TGP)と組み合わせて使用することによりCap Site® Huntingを行うことができます。残りの2本は製品ごとに選定したコントロールとなる遺伝子に特異的なプライマー (Control Primer1, 2)で、実験のポジティブコントロールとして使用します。Taq DNA Polymerase等の酵素は入っておりませんのでご注意下さい。これらの試薬が入ったパッケージとは別に詳細なマニュアルが添付されています。

Cap Site cDNA® 1本 (10µl)
1RC Primer 1本 (100µl)
2RC Primer 1本 (100µl)
Control Primer1 1本 (10µl)
Control Primer2 1本 (10µl)
製品マニュアル

 

Q5. Cap Site cDNA®はどのように使うのですか。

A5.
まず目的の遺伝子に特異的なプライマー(TGP1, 2)をお客様に作製していただきます。このプライマーと添付のrOligo相補的配列部分に特異的なプライマー(1RC, 2RC Primer)を組み合わせてPCRを行います。PCRに必要なTaq DNA Polymerase等の酵素は含まれておりませんので、別途ご用意下さい。ニッポンジーンではGene Taq NTを用いたPCRをお勧めします。

 

Q6. Cap Site cDNA®を用いて何回のPCRが行えますか。

A6.
通常はCap Site cDNA®の原液を10倍希釈して使用しますが、この場合は100回のPCRが行えます。発現量の少ない遺伝子の解析には原液を使用することがあり、その場合には使用回数が少なくなります。

 

Q7. マニュアルではGene Taq NTが使用されていますが、他の耐熱性ポリメラーゼは使用できますか。

A7.
マニュアルではGene Taq NTを使用した場合を標準としています。Cap Site cDNA®に関するデータもGene Taq NTを使用して得たものです。他の耐熱性ポリメラーゼを使用することもできますが、その場合にはPCR条件を十分に検討する必要があります。ニッポンジーンではGene Taq NTをご使用になることをお勧めします。

 

Q8. マニュアルの反応例の条件でPCRを行っているのに、コントロール遺伝子が増幅しない、または複数のバンドが現れるのですが。

A8.
Gene Taq NT
以外の耐熱性ポリメラーゼを使用している場合、このような現象が見られることがあります。Gene Taq NTを使用してみるか、PCR条件を検討して下さい。

 

Q9. 目的のCap Site領域を増幅できない、または非特異的な増幅が起こるのですが。

A9.
[1] 予想される増幅サイズが500bpを越える場合、増幅しにくくなったり、あるいは非特異的な増幅が起こりやすくなったりします。増幅サイズが長くなるほどこのような現象が生じやすくなり、特にポジティブコントロールとして使用しているβ-アクチン遺伝子では、1kbを越えた場合全く増幅しなくなります。下記の方法を用いることにより増幅が可能となる場合があります。

  1. 増幅サイズが500bp以下になるように目的遺伝子特異的プライマー(TGP1, 2)を設計し直して下さい。
  2. 予想される増幅サイズが長い、あるいは不明である場合は、5'RACEやプライマー伸長法等によって可能な限り5'末端近傍まで配列を決定し、得られたデータを基に目的遺伝子特異的プライマー(TGP1, 2)を設計し直して下さい。

[2] 目的の増幅産物のサイズが500bp以下であると予想される場合、下記の方法を用いることにより増幅が可能となる場合があります。

  1. Cap Site cDNA®の希釈倍率の変更。
    マニュアルの反応例ではCap Site cDNA®を10倍希釈して使用しますが、増幅しない場合には希釈せずに原液のまま、非特異的な増幅が見られる場合には原液を100〜1000倍に希釈して使用してみて下さい。
  2. 目的遺伝子特異的プライマー(TGP1, 2)の再検討。
    Cap Site cDNA®を使用したCapSite® Huntingではnested PCRを行うことを前提としています。使用するプライマーによっては1st PCR時にミスアニーリングに起因する増幅産物が観察されることがあるためです。発現量が多くない遺伝子のCapSite® Huntingで1st PCR時に増幅産物が検出される場合は、発現量の多い遺伝子にミスアニーリングしている可能性があります。目的遺伝子特異的プライマーを、ノーザン解析で発現が確認されている場合で少なくとも2本、情報が少ない遺伝子の場合にはできれば6本程度設計し、組み合わせてnested PCRを行ってみてください。
    また、ノーザン解析で発現が確認されない場合、発現量が低いと予想される場合、GC含量が高いことがわかっている場合、さらに上流のCap Siteまでの距離が推定できない場合は、CapSite® Huntingで特異的な増幅産物を得ることは困難であると予想されます。このような場合には、目的遺伝子特異的プライマー(TGP1, 2)の設計が非常に重要です。目的遺伝子特異的プライマー(TGP1, 2)設計の詳細については、マニュアルをご参照下さい。
  3. PCRに使用する耐熱性ポリメラーゼの変更。
    耐熱性ポリメラーゼの種類によっては、非特異的な増幅が起こりやすい場合があります。ニッポンジーンではGene Taq NTを使用することをお勧めします。
  4. PCR条件の変更。
    増幅サイズが500bp以下であるため、それに適した条件でPCRを行うことが必要です。また、目的遺伝子特異的プライマー(TGP1,2)の変更や耐熱性ポリメラーゼの変更がある場合には、反応条件を再検討する必要があります。

 


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