ISOPLANTで収量を上げるためのヒント


 ISOPLANTでのDNA抽出の効率が悪い場合、下記の方法を試してみて下さい。

試料を細かく刻む
マニュアルには3〜5mm角に刻む、とありますが、もっと細かく刻めば抽出効率が向上します。
50°C、15min.のインキュベート中に転倒混和する
このステップの間に何度か転倒混和すると、収量がかなり向上する場合が多いようです。
試料の量を減らす
試料を複数のチューブに分割し、一つのチューブに入れる試料を減らして下さい。
Solution I、II、IIIの使用量を増やす
試料を0.1g処理する場合は、Solution I、II、IIIの使用量をマニュアル記載の量よりも多めにして下さい。適切な量は試料の種類にもよりますので、チューブにおさまる範囲内でご検討下さい。
スケールアップする
大型のチューブを用いてスケールアップします。使用する試薬の量は、スケールアップ前と同じ比率になるようにして下さい。ただし、大型のチューブは1.5ml等の小型のチューブのように高速で遠心できません(強度の問題等)。弊社で試したところ、C社製オレンジキャップの15mlチューブは3000〜4500×g、同じく50mlチューブは1000〜1500×gで遠心できましたが、安全のため15mlチューブは3000×g、50mlチューブは1000×gで試して下さい。なお、回転数が低いため、遠心時間は長めに設定して下さい。
50°C、15min.のインキュベートを延長する、温度を上げる
インキュベート時間を20min.、30min.に延長します。45min.まで延長すると、サンプルによっては抽出したDNAのバンドがスメアになることがありましたので、試料の量に余裕がある場合は条件を幾つか設定して検討して下さい。また、グラム陽性菌から抽出した場合、温度を65°Cに上げることで収量が向上した例がありました。
エタノール沈殿の際に冷却する
マニュアルのプロトコルには、-20°Cに冷却したエタノールを加えてすぐに遠心するとの記載がありますが、エタノール添加後、冷却して静置すればDNAの回収率が向上します。ただし、この場合には夾雑物も一緒に沈殿してしまう可能性が高まります。
できるだけ新鮮な試料を使う
1週間ほど放置して乾燥させたイネをISOPLANTで処理したところ、DNAの回収率が大きく低下しましたので、できるだけ新鮮な試料を使う方が良いと思われます。
液体窒素で凍結させてすりつぶす
厚い細胞壁を有する試料(カビ、グラム陽性菌等)の場合、細胞が非常に壊れにくく、効率の良い抽出は困難です。このような場合には、液体窒素で試料を凍結させ、すりつぶして細胞を壊して下さい。なお、ISOGENでグラム陽性菌からRNAを抽出した例にあるようにガラスビーズを使用することも可能ですが、RNAに比べてサイズの大きいDNA分子は、物理的な破壊の影響を比較的受けやすいため、せん断されたDNAが多くなります(この状態でもPCRのテンプレートとしては使用可能だと思われます)。
また、果樹の場合、若葉からでも抽出が困難なようですが、液体窒素で凍結してすりつぶすことで、抽出できる場合があるようです。

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