HULK アルギン酸分解酵素

HULK Alginate lyase
品名 Code No. 包装単位 価格 備考
HULK アルギン酸分解酵素 319-08261 5 mg 32,000円  

製造元 (株)ニッポンジーン

表示価格は希望納入価格 (税別) です。

製品説明

本品は、Flavobacterium属細菌由来のアルギン酸リアーゼで、大腸菌で発現・精製した組換え酵素です。アルギン酸を効率よく分解することができます。
アルギン酸はコンブ等の褐藻類に多く含まれる粘性の高い多糖類です。褐藻類から核酸を抽出する際に、本酵素で処理することによって粘性がなくなり、効率的に核酸抽出を行うことができるようになります。
製品名の HULK は、Hokkaido University alginate Lyase for Kelp degradation の略です。

HULKアルギン酸分解酵素の特徴

起源 遺伝子組換え大腸菌
酵素形状 20 mmol/l Tris-HCl (pH 8.0), 100 mmol/l NaCl, 50% Glycerol
活性 ≧5,000 units/mg
単位の定義 1 unitは、0.1% アルギン酸ナトリウムを基質として、30°Cにおいて235 nmの値が1分間に0.1上昇する酵素活性とする。

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製品内容

保存方法

-20°C

HULK アルギン酸分解酵素 (5 mg)
構成品 容量 備考
HULK アルギン酸分解酵素 (5 mg/ml) 1 ml x 1  

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使用例

Data 1 HULK アルギン酸分解酵素によるアルギン酸分解経時変化

反応条件: 10 mM NaPi (pH 8.0), 0.1 M NaCl, 0.1 mg/ml BSA, 0.5% alginate, and 1 µg/ml HULKアルギン酸分解酵素 at 30°C.

硫酸による発色(全糖を検出)

反応前(0分)は、原点にのみアルギン酸のスポットが確認できる。
30分後には、ほぼ全てオリゴ糖化し、2時間以上反応させると2~5糖が主要な分解物となる。
チオバルビツール酸(TBA)による発色(不飽和糖を検出)

反応前(0分)は、いずれのスポットも確認できない(基質のアルギン酸は飽和糖のため)。
反応開始後、直ちに不飽和糖(ピンク色のスポット)が生じる。
なお、本検出法により単糖由来のDEHが検出されないことから、最小分解物は2糖であることが分かる。


本実験データは、国立大学法人 北海道大学・大学院水産科学研究院 井上 晶博士よりご提供いただきました。

Data 2 他社製品との比較

本酵素の活性測定方法を用いて活性を算出し、HULKアルギン酸分解酵素と他社アルギン酸リアーゼの比活性を比較した。

HULKアルギン酸分解酵素は他社アルギン酸リアーゼと比較して、30~80倍比活性が高かった。

Data 3 コンブからのDNA抽出

生マコンブと三種類の乾燥コンブから、DNA抽出キットGM quicker 2 (改変コメDNA抽出プロトコール) を用いてDNAを抽出した。HULKアルギン酸分解酵素を加える場合と加えない場合とで、DNA収量を比較した。また、抽出したDNAを鋳型としてPCRを行った。

プロトコール

生コンブ 50 mg、または乾燥コンブ粉砕試料5-20 mgを2.0 ml容量マイクロチューブに入れる
↓←700 µl のGE1 Bufferを添加
↓←20 µl のProteinase Kを添加
↓ 生コンブはペッスルですりつぶす、乾燥コンブはボルテックスミキサーにて混和
↓ 15分間、60°Cで加温
↓←85 µl の GE2-K Buffer を添加し、ボルテックスミキサーにて混和
↓ 遠心(≧13,000 x g, 5分間, 室温)
上清 400 µlを新しい 1.5ml チューブに移す
↓←10 µl のRNase Aを添加
↓←20 µl のHULKアルギン酸分解酵素を添加
↓ 15分間、37°Cで加温

↓←150 µl の GB3 Buffer を添加
↓←150 µl のイソプロパノールを添加し、10~12 回転倒混和
混合液を Spin Column に全量移す
↓ 遠心(13,000 x g, 1分間, 室温)し、濾液は廃棄
↓←650 µl の GW Buffer を Spin Column に添加
↓ 遠心(13,000 x g, 1分間, 室温)し、濾液は廃棄
Spin Columnを新しい 1.5 ml チューブに移す
↓←50 µlの 10mM Tris-HCl(pH8.5)またはTE(pH8.0)を滴下
↓ 3 分間室温で静置
↓ 遠心(13,000 x g, 1分間, 室温)
回収した濾液(Genomic DNA)

生マコンブからのDNA抽出

約50 mgの生マコンブから、上記プロトコールを用いてDNAを抽出した(n=4)。抽出したDNAの1/5量をアガロースゲル電気泳動に用いた。
また、抽出したDNAを鋳型としてPCRを行った。
本実験に使用したマコンブは、国立大学法人 北海道大学・大学院水産科学研究院 井上 晶 博士よりご提供いただきました。

アガロースゲル電気泳動

マコンブDNAの電気泳動像 ① GM quicker 2 (HULKなし-)
② GM quicker 2 + HULKアルギン酸分解酵素 (HULKあり+)

0.8% Agarose S
マーカー: Gene Ladder Fast 2

PCR

抽出したコンブDNAを鋳型に様々な増幅鎖長のPCRを行い、反応液の一部(10 µl)を Agarose Sゲルで電気泳動した。

増幅鎖長 510 bp

2% Agarose S
マーカー: Gene Ladder 100
NC: ネガティブコントロール(鋳型DNAなし)
(左)増幅鎖長 2680 bp
(右)増幅鎖長 6661 bp

0.8% Agarose S
マーカー: Gene Ladder Wide 1
NC: ネガティブコントロール(鋳型DNAなし)

結果

本製品とGM quicker 2を組み合わせて抽出したDNAは、PCR阻害が認められなかった。

乾燥コンブからのDNA抽出

市販の3種類の乾燥コンブから上記プロトコールを用いてDNAを抽出した(n=2)。 HULKアルギン酸分解酵素を加える場合と加えない場合で、サンプル1 mgあたりの収量を比較した。 また、抽出したDNA 10 ng を鋳型にPCRを行い(490 bp増幅)、反応液の一部(10 µl)を2% Agarose Sゲルで電気泳動した。

1 mgあたりのDNA収量とPCR

(左) 羅臼昆布 約20 mgから抽出した場合の 1 mgあたりの収量

(下) PCR
羅臼昆布 PCR結果
(左) 根昆布 約20 mg(北海道産)から抽出した場合の 1 mgあたりの収量

(下) PCR
根昆布 PCR結果
(左) とろろ昆布 約5 mg(北海道産)から抽出した場合の 1 mgあたりの収量

(下) PCR
とろろ昆布 PCR結果

結果

本製品とGM quicker 2を組み合わせて抽出したDNAは、PCR阻害が認められなかった。

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製品マニュアル

SDS(Safety Data Sheet)

リーフレット

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株式会社ニッポンジーン 学術営業課

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